Yukiko Hatheway

View Original

アンドリュー ワイエスの「玉ねぎ」を描く

ここ一年間くらい 殆ど墨と顔彩絵の具で絵を描いてきましたが、時々西洋水彩絵の具が生み出す色彩を使って 絵を描いてみたくなります。その中で 特に青とシェンナ系の色彩を使ってみたくなります。では、どんな絵を描くか それが次の問題でした。そこで 思いついたのが アンドリュー·ワイエス画伯の作品 「たまねぎ」です。

アンドリュー·ワイエスは私の最も好きな画家の一人です。彼の作品集を見ながら 何時間もその不思議で素晴らしい世界にひたってしまう事もあります。彼の作品の風景そしてモデルも とてもアメリカ的です。しかしながら、その地味な色彩とテーマに対する親密な心扱いは 長いアメリカ生活のわたしの中の日本人の心に呼び掛けてくるような気がします。孤独の中に安らぎを見出した人だと感じます。その孤独の世界と外の世界のつながりの象徴が絵の中の窓の様な気がします。そんなことを考えながら「たまねぎ」の絵のコピーを描きました。彼の世界に浸かる時間から自分を引き離すのは 心地良い夢から目覚めるように とても心惜しい気持ちでした。使った色は ペインズグレー、イエローオーカー、ローアンバー、ローシエナ、バーントシエナ、そしてバーントアンバーです。

ちなみに このオリジナル作品は 日本の美術館に保存されていると聞きました。いつかオリジナルを是非みたいと思っています。